ブログ相談室

真菌性角膜炎の治療について

1970年1月1日

●●様:お返事大変おくれすいません.以下,@でお答えいたします.

>> お名前 = ●● ●●

>> email = ●●●●@●●.plala.or.jp

>> 性別= 女性

>> 年代 = 30代前半

>> 内容 =吉野先生はじめまして。●●と申します。夫(30代前半)が昨年末から地元の病院に通院しているのですが経過が思わしくなく、ご相談させていただきます。

>> ◆これまでの経緯

>> 昨年12月中旬、ソフトコンタクトレンズ(2week使い捨て)を入れたところ、左目に激しくしみる痛みを感じて、新しいレンズに交換。その後、目の充血・しみる・ 視界がぼやける・眩しいといった症状が続く。12月末に地元総合病院の眼科へ通院開始。初回診察から現在までの約2か月、毎週1~3回通院。その間の診断

>> 初回:ヘルペス>> ↓

>> ↓

>> 1月:ぶどう膜炎

>> ↓

>> 2月:真菌性角膜炎(真菌性結膜炎?ここの記憶が曖昧ですみません。ただこの診断に関しては、本人もコンタクトの手入れ等思い当たるところはあるようです。)

>> ◆現在の状況

>> ・最初の頃のような痛みはない。(黒眼を削ったばかりなのでその痛みはあります。)

>> ・常にゴロゴロとした異物感がある。

>> ・まぶしい。

>> ・視界がぼやける・視力がもどらない。(瞳孔を開く薬アトロピンを2か月近く使っているためか、本当に視力が落ちているのかわかりません。)血液検査や造影剤撮影の検査も受け、上記診断に合わせてたくさんの薬を試しましたが状態は良くなっていません。先日検査のために黒眼を削った結果、真菌性~との診断に至りました。そして昨日、今度は幹部を取り除くためとのことで、広範囲に削られました。

>> ★現在一番心配しているのは、この眼を削るという治療の影響です。★

>> 担当医からは、削った箇所に白い濁りが残り、視力が戻らない可能性もあると聞きました。また、今後も状況が良くならなければレーザー治療や角膜移植という可能性もあると聞きました。(それが今回の病状の原因に対する処置なのか、視力回復のための処置なのかは医師に確認していません。)私たちとしては極力削ることは避けたいのですが、眼を削らない治療法があるのでしょうか?

@この「目を削る」という治療行為は,「デブリドメント」といって角膜感染症の原因菌の確定,や病原体を直接除去するための治療目的のために行います。実際この治療により病原体が真菌(カビ)であることが判明したわけで,これで治療のターゲットを真菌に定めフォーカスが絞れるようになったわけです.現在は,集中的に真菌に対する治療に専念している状況なのではないですか?

>> また、できる限り視力を落とさない治療法とはどんなものがあるでしょうか?万が一、視力が大幅に落ちてしまった場合は、どんな治療がベストでしょうか?

@真菌による角膜感染症は難治性であるため,たとえ菌体を消滅できたとしても瘢痕(角膜混濁)や不正乱視が残り,視機能に影響を残したまま治癒に至るケースもあります.混濁が軽ければ不正乱視に対してはハードコンタクトレンズにて視力の改善は見られるでしょう.混濁が強い場合は角膜移植になりますが,現在はパーツ移植といって角膜全層を取り替えるのではなく,まだ機能の残っている部分は残し,交換が必要な部分だけを移植で交換する角膜パーツ移植という技術が発達してきました.しかし,この技術はすべての医療機関で享受できるわけではありませんので,角膜移植手術を行う場合には,角膜を専門にしている医療機関を受診なさることをお勧めします.その場合には当院からもご紹介が可能です.

>> 2ヶ月間、原因もはっきりせず有効な治療も見つからないままで、本人も精神的にもかなり辛くなってきました。別の病院での診察も考えているのですが、また最初からやり直しとなることも怖く、どの病院へ伺うべきかも迷っています。長くなりましたが、読んでいただき有難うございました。ぜひ、ご意見お聞かせください。よろしくお願い申し上げます。以上

@診断が確定しているのであれば,全診察記録を御持ちいただければ,または,詳細な紹介状があれば一から検査をやり直すという必要は無いと思います.

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吉野眼科クリニック 吉野健一

〒110-0005東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル6階

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東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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