内斜視と診断されました。｜吉野眼科クリニック　最新鋭のレーシック・白内障・多焦点眼内レンズ（老眼）手術は、東京上野の眼科／レーシックセンター

内斜視と診断されました。

2008年8月24日

●●●●様：お返事おくれすいません．以下，＠でお答えいたします．

> お名前 = ●●●●

> email =●●●@yahoo.co.jp

> 性別= 女性

> 年代 = 30代前半

>> 内容 =初めまして。２歳の息子のことで相談させていただきたくお願い申し上げます。１歳前後の頃に左目が外側に動かないことに気付き、眼科を受診したところ、遠視による内斜視と診断されました。より目になるのは左側を向いたときだけで、正面、右側を見たときはより目にはなりません。１歳８ヶ月からメガネの治療を始めました。メガネは左右とも度が入っています。現在、メガネをして半年になりますが左目の動きに改善は見られません。また、生後撮影した写真を全てチェックしたところ、左目が外側に動いている写真は一枚もありませんでした。

＠遠視による内斜視は、調節性内斜視、または部分調節性内斜視といいますが，これは，眼鏡または眼鏡で治らない部分に対しては手術ということになります。しかし，お子さんの場合にはそれだけではないように思います．

左眼の外転神経麻痺の合併ということになりますが，おそらく「Duane（デュアン）症候群」といわれる斜視ではないでしょうか？眼球を動かす筋肉や視神経の異常やバランスの不具合があり，片眼の場合もあれば両眼の場合もあります。「Duane症候群」の特徴は、

　・内転時眼球後退、瞼裂狭小

　・外転障害かつ／または内転障害

　・ひっぱり（force reduction test）試験陽性

　・眼筋電図にて外直筋・内直筋に異常神経支配あり

原因は先天性で、妊娠初期の何らかの奇形という説があり、１割は遺伝性で他に障害を合併することもあります。両目でものを見る機会を増やすよう、斜視の出る方向を向かせないよう，すなわち右方向を見るような体勢作りが重要です．両目でものを見るチャンスが少ないと弱視といって視力が発達しないことや，立体視（ものを立体的に認識する能力）の発達が阻害されることになります．

>> 生まれつきのものか、脳に原因があるのかと心配になってＣＴ検査をしましたが「問題ない」とのことでした（ＭＲＩは必要ないと言われました）。現在海外に住んでいて言葉の壁もあり、このままメガネをするだけで良いのか心配です。精密検査、手術が必要なら日本の病院を予約し、帰国せねばと思っていますが、帰国するには出国手続や費用・時間が必要で思い立ったらすぐ帰国、というわけにはいきません。ぜひとも先生からアドバイスをいただき、帰国すべきかどうかも検討したいと思っています。左目だけ外側に動かないという症状はどのような治療をすべきなのでしょうか。どんな情報でもけっこうですので教えていただければ幸いです。何とぞよろしくお願い申し上げます。

・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～

> 吉野健一先生

> この度はお忙しい中ご回答くださいまして

> 真にありがとうございました。

> 大変参考になりました。

> 息子の左目が内転したときに眼球が後退しているかどうかは

> よくわかりませんが、左目は右目に比べて細くやや小さいです。

> Duane症候群の可能性について、かかりつけの眼科では

> その言葉自体出てきませんでした。

> 一度相談してみます。

> まずは取り急ぎ御礼申し上げます。

> ●●●●