ブログ相談室

フェイキックIOLの適応

2008年5月12日

●●様:以下,@でお答えいたします.

>> お名前 = ●● ●●

>> 都道府県 = 東京都

>> 性別 = 男性30代半ば

>> 内容 =初めてメールさせて頂きます。早速ではありますが質問の本題に入らせて頂きます。つい先日、他院(数院)にてレーシックの適応検査を受けたところ、近視が両目ともに-10D、角膜厚が490umにてレーシック不可となりました。よって、「フェイキックIOL」を現在検討中です。そこで一番の心配点はフェイキックIOLでも適応外となってしまうのでは?と不安になったのです。眼疾患等は無いため、考えられるとすれば「前房深度」です。不適応者は稀とのことですが、実際に不適応になる方は多いのでしょうか?レーシック不可>フェイキックIOL不可、とは思いますが、貴クリニックの過去の統計(おおよそで結構です)では何%位の方が前房深度の規定外で手術不可となったか、参考までにお聞かせ頂ければと思います。

@今の所「0%」です.

>> フェイキックIOLの手術費用に関して。レーシックと比較し、フェイキックIOLの場合はクリニックによってかなり金額に差があります。決して安い金額ではありませんので、費用もクリニック選びの重要は要因となります。大変失礼ですが、貴クリニックは多少高額な印象があります。安かろう悪かろうでは無いでしょうが、ある程度実績のある都内のクリニック(インターネットでHPを持ち、多数のプロスポーツ選手、芸能人を手がけ ている医院)であれば、費用の高い安いに関係無く手術技術は問題無いと考えてよろしいでしょうか?(失礼な質問をお許し下さい)

@両者の差をざっと思いつくままに書いてみます.

屈折矯正手術専門センター:

1)薄利多売=診療が非常にシステマティック効率的(工場みたいだったと当院の患者さんはおっしゃいました)

2)複数のドクターが術前診察,手術,術後フォローに関与→主治医としての責任の所在がグレイ

3)アルバイト医師の診察もあり→実際知人の後輩ドクターは,バイト代ももらえてレーシックの勉強もできて1石2鳥でラッキーと言っていました。→主治医としての責任の所在がグレイ

4)院長は雇用者(雇われ院長)→母体企業が事業から撤退したら存在そのものがなくなります(過去に幾つも例あり).

5)すべて自費診療で術後のフォローも保健診療無し.したがって他の眼疾患,合併症が生じた場合の対応杜撰→他の眼科を紹介

当院のような保健診療施設で一般眼科診療を行っている施設:

1)厚利少売=一人のドクターが手厚く責任を持ってフォロー→手厚い対応だが診療効率が悪い→責任の所在が明らか

2)他の眼疾患の治療にも対応可能←一般眼科診療が可能故

他院で手術をした患者さんで術後のフォローに不安を持って当院に来院する患者さんが後を絶ちませんが,当院は他院で行った自費診療の屈折矯正手術の後始末病院ではないので,診療は受けかねる状況です.自院での患者さんのフォローに手は抜けませんので.手術を行った主治医が責任を持って最後までおつきあいするのが筋と思います.ましてや,眼内にアプローチするICL(フェイキックIOL)の場合には,レーシック以上により綿密なフォローが必要でしょう.

>> フェイキックIOLを受ける年齢に関して。私は現在35歳。手術を受けるには丁度良い年齢では無いかと思っておりますが、もうすこしフェイキックIOLの症例が増えてから(5年後程度)とも考えています。但し、約5年後と現在で費用(安くなる?)や術式や信頼性がさほど変わらなければ今かな?とも迷っております。ご意見を賜れればと思います。

@眼内に人工レンズを挿入する手術ですので,ICL(フェイキックIOL)手術を導入する以前に老人性白内障の手術(眼内レンズ挿入術)を一定数以上こなしている眼科専門医であれば,技術的には格段の変化があるとは思えません.術式や信頼性についても,欧州,米国では承認されている手術方法ですので,大きな革新があるとは思えません.むしろ,調節力が減少する40歳になってから行うよりは調節力のあるうちに行った方がメリットは大きいと思います.調節力がないのであ れば,白内障手術や「clear lens extraction」で良いわけですから.費用に関しては将来的にも自費診療ですから施設による差はあるでしょう.市場として将来cost dawnする可能性はあるかも知れません.

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吉野眼科クリニック 吉野健一

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東京歯科大学眼科講師 日本医科大学眼科講師

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