●●　●●様：以下，＠でお答えいたします．

>> お名前 = ●●　●●

>> 都道府県 = 神奈川県

>> 主なご住所 = 横浜市

>> 年代 = 30代前半

>> 内容 =以前、レーシックとICL（フェイキックIOL）の適応について診察していただきました●●●●と申します。私は－８D程度の近視であるため、ICL（フェイキックIOL）もしくはICLについて検討しているところなのですが、術前処置として行われるレーザー虹彩切開術についてご質問させていただきたいと思います。緑内障の治療としてレーザー虹彩切開術を行った場合に、数年後に水疱性角膜症を発症する例があるということをインターネットで知ったのですが、ICL（フェイキックIOL）もしくはICLの術前処置としてレーザー虹彩切開術を行った場合にも同様のリスクがあると考えた方がよろしいのでしょうか？

＠上記ご質問の緑内障へのレーザー虹彩切除術と、ICL（フェイキックIOL）術前処置としてのレーザー虹彩切除術のリスクは大きく異なります。まず、緑内障へのレーザー虹彩切除術は、通常緑内障発作眼とその僚眼に対し行いますが，緑内障発作眼は極度に眼圧が高くなっているため角膜は浮腫状態（組織がむくんで透明性が落ちている状態）にあります。この透明性が落ち濁った角膜を通して虹彩にレーザーを照射すると、レーザーのエネルギーは多量に角膜に吸収されることになります。これが角膜内皮細胞を減少させる大きな原因です。ICL（フェイキックIOL）術前処置としてのレーザー虹彩切除術は透明な角膜を通してレーザーを虹彩に照射しますので，角膜へ吸収されるエネルギーは格段に少ないと思われます。

>> また、アルゴンレーザーのみで施術を行うとリスクが高く、アルゴンレーザーとＹＡＧレーザーを併用もしくはＹＡＧレーザーのみで施術した方がリスクが低いといったような記述もインターネットで見ましたが、それぞれどの程度リスクに差があるのでしょうか？

＠YAGレーサーの方が角膜内皮へのダメージが低いことは間違いありませんが、残念ながら「どの程度か？」いう程度の差をデーターを持って正確にお答えすることはできません。当院はアルゴンレーザーもYAGレーザーも保有していますが、レーザー虹彩切除術を行う場合は、アルゴンレーザーを10発程照射し、出血を予防した後、YAGレーザー数発にて虹彩に穴をあけます。アルゴンレーサーですべてを行うのに比し当然YAGレーサーを併用した方が角膜へのダメージは格段に低いものとなります。

>> なにぶん素人のため、質問自体がおかしな部分があるかもしれませんが、何卒ご容赦いただければと思います。お忙しいところ、お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いします。

> 吉野健一様

>

> ご多忙の中、丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございま

> した。緑内障治療のためのLIとの違いを認識することができ、

> 大変助かりました。

>

> 最近、インターネットで得た断片的な知識で先生方にご質問さ

> せていただくと気分を害される先生方もいらっしゃることを知

> り、吉野先生にご回答いただけるか非常に不安でしたが、

> お忙しい中ご回答いただきましたこと、深く感謝申し上げます。

>

>

> 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

>

> ●●　●●

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吉野眼科クリニック　吉野健一

〒110-0005東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル６階

TEL:03-3839-5092, FAX:03-3832-3730

レーシックセンターURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com/

吉野眼科クリニックURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com

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Yoshino Eye Clinic

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