10年前に貴医院にてレーシックの手術をうけました。その後順調です。今年、息子(18歳)の手術を検討しております。おなじ吉野眼科さんでと、思っておりますが、他のレーシックの施行医院との料金の差が大きく大変失礼ですが、料金(10年前と変わらず)他に比べて高いのはどうしてなのかおたずねいたします。他の医院のHPをみますと、手術が色々あって、料金もあまりに安くて不安ですし、混乱します。適切で、安全な手術をとにかく望んでおります。
??様:
メールありがとうございます。
10年前に当院で受けたレーシック術後経過が良好とのこと、何よりです。
また、息子さんの手術も当院でとお考えのこと大変光栄に思います。
ただ、年齢が18歳とのことですので、近視の進行がまだ止まっていない可能性があると思いますが如何でしょうか?
レーシックは、現在の屈折異常(近視)を治す手術で、将来進行するであろう近視を予防する効果はありません。確かに18歳以上に手術の適応がありますが、「昨年作った眼鏡、またはコンタクトレンズの度が最近合わない」といったことがあるのなら、まだ近視が進行している可能性があります。少なくとも1年は近視の進行がないことを確認した上での手術が望ましいと思います。お住まいがどちらか分りませんが、もし通院が可能であれば、半年毎の視力検査を受けてみるのはいかがでしょうか?
手術料金の件ですが、確かに当院の手術料金は高い設定であると思います。(注:昨今の不景気を鑑みH24年2月より手術料金の値下げを断行いたしました)美容系クリニック(●●近視クリニック、●●●クリニックなど)は、「薄利多売」や「キャッシュバック」システムを導入することにより手術料金を安くしています。その薄利多売を維持するためには、効率よく検査をし、効率よく手術をし、効率よく術後診察をする、といったことが必要になります。「効率的に」というと聞こえは良いのですが、「術後のドライアイ」を始めとして「術後の過矯正による強度の眼精疲労」「手術が終わったら不満を訴えても相手にすらしてくれない」など、当院にはそのような術後の患者さんがひっきりなしに来院します。不調を訴える患者さんがすべてとは思いませんが、確実に当院ではありえない術後結果や、それに対するフォローからの逃避が見られます。手術である以上は、不具合が生じることは「0」ではないと私も思います。
しかし、大事なのは、不幸にもそのようなことが生じたら真摯に対応することではないでしょうか。患者さんが不満を訴えたら、とことん責任を持って誠実に対応すべきと思います。薄利多売で安い手術料金では、それも叶わないのかもしれません。「相手にすらしてくれない」と言って当院を来院する患者さんが後を絶ちません。
「手術をしてくれた先生のお名前はわかりますか?」という私の問いに対し、百人中百人、答えられる方はいらっしゃりません。それもそのはず、効率のよい医療は、術前診察をするドクター、術中角膜フラップを作成するドクター、術中レーザーを照射するドクター、術後診察をするドクターがすべて異なるのです。術後診察をするドクターはアルバイトの医師だったりします。
私の友人で●●●●●●●でアルバイトをしていたドクターは、「屈折矯正手術も勉強できるし、お給料までもらえて一石二鳥だ」と嘯いていました。手術を受ける先生の顔と名前が一致しなくても手術を受ける気になる患者さんの心理が、正直言って私には理解できません。検査を受ける状態は、ベルトコンベアーに乗ってるみたいで効率的ではあるが、まるでアウシュビッツのガス室に入るユダヤ人のようだったとまでおっしゃった患者さんもいらっしゃいました。
しかし、最近のリーマンショック以来、経済は落ち込み、必ず受けなくてはいけない手術ではないレーシックを受ける患者さんは減ってきました。手術料金が安い上記のクリニックもそのような状況に変わりはなく、薄利多売で成り立っていた自転車操業が崩れかかってきています。実際、●●クリニックはイギリスの企業に買収され、●●●クリニックは倒産し、その後、倒産後買収された●●クリニックに買収されました。●●●●クリニックも苦しい状態にあると聞いています。倒産で困るのはオーナーで、そこで働いているドクターは皆雇われの身ですから倒産したら辞めればよいのです。蜘蛛の子を散らすように、レーシック業界を点々とするドクターが実際にいます。「一生涯の術後保障を謳っていても、クリニックが倒産したら一生涯も何もあったものではありません。」とおっしゃった患者さんもいらっしゃいました。
ご存知のように、吉野眼科クリニックは、私が術前診察、手術、術後診察まで、すべてを責任を持って一貫して一人で担当しています。吉野眼科クリニックは個人経営の眼科診療所で、私は雇われ院長ではありません。吉野眼科クリニックが潰れるということは、即私が生活できなくなるということです。勢い診療に熱が入るのも道理です。最後まで責任を持ちますし逃げることはしません。というより逃げることができないのです。
上記の、息子さんに対する手術に関するコメントでもお分かりのように、手術をすれば、吉野眼科クリニックとしてはその瞬間は儲かります。しかし、私は「まだ受けない方がよいかもしれません」と言っているのです。信用と信頼、誠実さを何よりも大切にしたいと考えているからです。上記のようなクリニックでは、間違いなく即手術ということになるのではないでしょうか?
レーシックは物を提供するサービスではありませんが、仮に手術結果を手作りの製品と仮定して例えると、大量生産の規格品を一律に効率よく格安で提供するのと、顧客一人一人に合った手作りの商品を提供するのでは、どちらに手間と時間を要すでしょうか?料金の差は勢いその差だと思います。ご自分の目を一律の規格で手術されて不安はないのでしょうか?
当院に来院する患者さんを診ていると、上記のクリニックでは年齢に関わらず皆一律に1.2以上の視力を目標にしているのではないかとすら思える状況があります。術後の疲れ目の訴えは相当根強いものがあります。40歳を越えて年をとったら近くが見づらく疲れやすくなります。そのような方にはあえて弱めで手術をします。その感覚が分らない人には使い捨てレンズを数日使ってもらい、目的の視力がどのような見え方になるのかということを時間をかけて納得してもらいます。パソコン作業が多い人は、あまりにも遠くがよく見える状態にすると酔ったような症状を呈し疲れてしまいます。そのような方にもやや弱めで合わせることがあります。万が一見えづらくて不満があれば追加矯正の可能性を十分に担保した上で、手術を行います。非常に手間が掛かるのです。
ご検討ください。長々と失礼いたしました。
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吉野眼科クリニック 吉野健一
〒110-0005東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル6階
TEL:03-3839-5092, FAX:03-3832-3730
レーシックセンターURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com/
吉野眼科クリニックURL: http://www.yoshino-eyeclinic.com
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下記、もっともな判決だと思います。当院では、症例ごとではなく一眼ごとに器具を交換しています。
元院長に二審も実刑 レーシック手術で角膜炎
共同通信社 3月9日(金) 配信 0件
近視矯正のレーシック手術で衛生管理を怠り、患者7人に角膜炎を発症させたとして、業務上過失傷害罪に問われた銀座眼科(東京、閉鎖)元院長の医師溝口朝雄(みぞぐち・ともお)被告(50)の控訴審判決で、東京高裁は9日、禁錮2年とした一審東京地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。
被告側は「一審の量刑は重すぎて不当」などと主張したが、小川正持(おがわ・しょうじ)裁判長は「経費を惜しんで医療器具を使い回すなど医師としてあるまじき診療態度で酌量の余地は全くない」として退けた。
判決によると、溝口被告は2008年9月~09年1月、20~50代の男女7人を手術した際、電動メスの刃を手術ごとに交換しないなど感染を防ぐ措置を怠り、細菌性角膜炎を発症させた。
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