円錐角膜治療とは
角膜が円錐状に突出してくる原因不明の病気ですが、痒みで目を擦る頻度の高いアトピー性皮膚炎の患者さんに合併する頻度が高いことから、角膜への何らかの物理的な刺激や角膜自体の気質的な異常が原因で発症するのではないかとも考えられています。 多くは両眼性で思春期に発症します。角膜形状変化による高度の屈折異常を伴い、進行すると角膜不正乱視が強くなるため、眼鏡やソフトコンタクトレンズでの視力矯正が困難となりハードコンタクトレンンズによる視力矯正が治療の第一選択となります。
- 円錐角膜
- 円錐角膜急性水腫
円錐角膜の視力矯正
極軽度の円錐角膜は眼鏡やソフトコンタクトレンズでも視力矯正が可能ですが、中度〜重度の場合にはハードコンタクトレンズが有効です。
円錐角膜は角膜表面が不正な円錐状であるため、やわらかいソフトコンタクトレンズではレンズも円錐状に沿ってしまい、正しく矯正することができません。
一方、ハードコンタクトレンズは素材が硬いため、円錐状の角膜とレンズの隙間に涙が入ります。この涙の層が不正な角膜表面を光学的に補完するため、視力矯正が可能となります。
- ソフトコンタクトレンズの場合
- ハードコンタクトレンズの場合
円錐角膜のフィッティング
通常の球面ハードコンタクトレンズでのフィッティング方法として、角膜中心部とこれを取り囲む周辺部の3点でレンズを支持する方法(3点接触法)と、角膜中心部と上方周辺部の2点でレンズを支持する方法(2点接触法)があります。
しかし、これらの方法は角膜の部分的な圧迫による装用感不良や傷の発生、レンズが外れてしまうなどの課題があり、円錐角膜の程度と変形部位によって、レンズの処方法やデザインを変える高い処方技術とテスト装用を繰り返す時間が必要となります。
近年、このような難点を解決するため、円錐角膜対応のハードコンタクトレンズも登場しています。
- 2点接触法
- 3点接触法
円錐角膜対応 ハードコンタクトレンズ
<ドクターズEX-G タイプKC>
円錐角膜は、角膜中心部が突出し急なカーブとなりますが、周辺部の角膜カーブはほぼ正常な角膜と同じであるため、中心部と周辺部のカーブに大きな差があります。
このカーブの差が球面ハードコンタクトレンズでのフィッティングを困難にし、レンズのズレや、外れを引き起こす原因となっています。
ドクターズKCの最大の特徴は、レンズ中心のカーブ(ベースカーブ)と周辺のカーブ(ペリフェラルカーブ)を別々に設計できることです。
また、角膜形状解析装置E300で角膜形状を詳細に把握し、最適なカーブをそれぞれ選択することができるため、球面ハードコンタクトレンズでのフィッティングの課題を解消します。
ドクターズKCは特にレンズのズレや外れによって満足な矯正視力が得られない症例に有効で、重度の円錐角膜にも対応できるオーダーメイドのハードコンタクトレンズです。
- ドクターズKCのレンズデザイン
- クターズKCのフィッティング
- 角膜形状解析装置E300
- 円錐角膜の角膜形状解析画像
安心の1年間レンズサポートサービス
- 破損対応サービス
破損した場合に新しいレンズと交換いたします。 - レンズリフレッシュサービス
度数変更や汚れ・変形など交換が必要になった場合に新しいレンズと交換いたします。 - 特別救済サービス
レンズを紛失された場合に特別価格にてご提供いたします。
円錐角膜のハードコンタクトレンズ装用でお悩みの方は是非当院にご相談ください。
円錐角膜対応ハードコンタクトレンズ<ドクターズEX-G タイプKC>をもってしても、装用が困難な程に角膜の変形が進行する症例があります。 「レンズがすぐ外れてしまう」、「レンズと角膜突出部の接触が強く、その部分の角膜が擦れて傷がつき(角膜びらん、角膜潰瘍)、その部の角膜が混濁し痛む」といった症状を呈します。もはやこの段階にくるとハードコンタクトレンズの装用は断念せざるを得ず、従来であれば角膜移植の適応となります。 しかし、角膜移植に踏み切る前に当院では、強膜レンズ(ボストンレンズ)という選択肢を提供できます。強膜レンズ(ボストンレンズ)は、米国、ボストン(Boston Foundation for Sight)のPerry Rosenthal 医師が開発したレンズで、当院は彼の指導のもと日本で最初に本レンズを導入したクリニックです。
強膜レンズ(ボストンレンズ)についてはこちらをご覧ください。