屈折矯正手術レーシック(LASIK)とは
眼鏡やコンタクトレンズなしで、遠くがハッキリと見えたら・・・と。
これはいくつになっても、目が悪い人なら一度は考えたことがあることでしょう。
特に、眼鏡で不自由さを感じている方や、コンタクトレンズがうまく使えず困っている人にとっては、切実な問題です。 残念ながら一度進んだ近視や乱視は、自然に治ることはありません。
眼鏡やコンタクトに頼る生活から抜け出し、裸眼で日常生活が送れることを可能にするのが、まさにレーシックという技術なのです。 レーシックとは、遠くを良く見えるようし、コンタクトレンズや眼鏡なしで、快適な生活を送れるようにする最先端の治療といえるでしょう。
近視や乱視が強いと、コンタクトレンズや眼鏡なしでは、遠くの物をはっきりと見ることができません。
レーシックとは、近視や乱視を治す手術です。コンタクトや眼鏡なしで遠くの物を見えるようにします。
レーシックとは、どのような治療でしょうか
近視や乱視を治す屈折矯正手術(くっせつきょうせいしゅじゅつ)には、様々な種類がありますが、現在最も多く行われているのがLASIKです。手術は日帰りで行い、治療は20分で終了します。 翌日には、ほとんどの人が1.0以上の視力になります。半永久的な治療効果があり、手術前のもとのような視力に戻ることはありません。
術翌日には、ほとんどの皆様が1.0以上の裸眼視力となります。
レーシックの特徴
- レーシックは日帰りで行う手術なので入院の必要はありません。
- 両眼同時にレーシック手術を受けることができ、手術は20分で終了します。
- 麻酔は点眼麻酔のみで行いますので、注射によるショックなどもありません。
- 縫合の糸は使用しませんので、抜糸の必要がありません。
- フラップ作成により角膜上皮を温存でき、術後に痛みはほとんどありません。
- 角膜は無血管組織なので、一般的に手術による出血はありません。
- レーシック手術の翌日には仕事も可能です。
当院で最新鋭フェムトセカンドレーザーを導入した理由について
当初、当院では、以下に示す旧型フェムトセカンドレーザーによる許容できない合併症を懸念して、その導入に躊躇がありました。
- 高頻度に出現したDLK(Diffuse Lameller keraitis):原因不明の角膜フラップ下の炎症。 点眼液の変更や、角膜フラップ下の再洗浄、結膜(白目)下へのステロイドの注射、ステロイドの内服が必要なこともある。
- 術後、虹のように光が散乱してみえる「レインボーグレア」の出現。
しかし、最新型フェムトセカンドレーザー(AMO社製 iFS)の登場によりこれらの欠点は解決し、むしろ、マイクロケラトームによる不均一な厚さのフラップ、「thin flap」や「button hole」 、フラップエッジの薄さに起因するフラップ下への角膜上皮細胞の迷入「epihelial imgrowth」などの合併症から解放され、より確実で安全なフラップ作成が可能となり、このたび吉野眼科クリニックでは最新型フェムトセカンドレーザー(iFS)の導入に踏み切りました。
フェムトセカンドレーザーは非常に高価な機器ですが、手術費用は据え置きでiFSによるフラップ作成をご提供しています。
レーシックを受けることができる適応条件について
(1)年齢は18歳に達していますか?
レーシックは、原則18歳未満の方には行いません。 但し、進学や資格・就職にどうしても裸眼視力の向上が必要な場合は、例外的に御相談にのります。 なお、20歳未満の方は、保護者の同意が必要です。
(2)ここ一年で近視・乱視が進行しましたか?
レーシックは、あくまで今ある近視・乱視を治すもので、将来進む近視・乱視を予防するものではありません。 従いまして、最低一年間は視力の度数が変化していないことが手術を受ける条件の一つとなります。
(3)現在妊娠、又は授乳を行っていますか?
妊娠中や授乳中、又、ピルを服用している方は、ホルモンバランスが変化し、屈折度数が変化する場合があります。 出産後にレーシックをご希望される方は、一定期間を経てからとなります(術後の妊娠・授乳に付いては問題の限りではありません)。
(4)安定剤などの向精神薬を服用されていますか?
安定剤などを服用していますと、目の調節機能への影響などにより視力が不安定になる場合がありますので、レーシックは受けられない場合があります。
レーシックは1990年に登場し、眼鏡・コンタクトレンズに次ぐ第三の選択肢として世界中に普及しました。欧米では年間120万人がレーシックを受けています。 日本でも、毎年5万人ほどがレーシックを受けており、今後さらにLASIKを受ける人口は増加すると思われます。当院は、1998年1月にレーシックを中心とした屈折矯正手術を開始し、これまで4000例以上の治療を行って来ました。
通常は、裸眼視力1.0以上を目指します。 最近5年のデータでは、当院でレーシックを受けた方の91.5%以上の方が1.0以上の視力を得ています。但し、患者さまの年齢によって、あえて1.0以上の視力を追求しない場合や、ご本人の近視や乱視の強さ、また角膜の厚さによっては、LASIKでは満足のできる視力を得られない場合もあります。
そのような患者さまへの対応も当院では可能です。
吉野眼科クリニックの治療成績(2009/10)
※0.9以下になった方も、追加矯正手術によって視力の再調整が可能な場合がほとんどです。
追加矯正手術後のデータを含めると、97.5%以上の方が、裸眼1.0以上の視力を得ています。
レーシックは、どこのクリニックで受けたとしても95%以上の方は満足な結果を得る手術で、もはや、それだけ確立された手術といっても過言ではありません。とは言え、残りの5%の方には何らかの不満が生じる可能性があるわけで、私は、この5%の不満を限りなく少なくするために、細心の注意と不断の研鑽を積むべきと考えています。
また、もし患者が不満を訴えるような事態に陥ってしまった時に、何よりも大切なことは、患者と医師の間の信頼関係だと考えています。つまり、ご自分の目を託すにあたり、直接顔と顔を突き合わせて、患者から見て「最後までこの医師に任せて大丈夫かどうか」ということを自身で判断してもらうことが重要となります。もちろん手術がうまくいく、ということが最も重要なことではありますが、実は、万が一うまくいかなかった時にはどう対応してくれるのか、といったこともそれに劣らぬくらいに重要なことなのです。
他院で手術を受けた後に、悩みを持って当院にいらっしゃる患者に一様に言えることは、担当のドクターが逃げてしまっている、または起きたことを隠さずに正しく伝えられていない、ということです。中には、経験の浅い医師や,眼科専門医ではない医師が、商業ベースに乗った安易で不誠実な大量生産の治療を行っている施設もあります。当院は,レーシック専門クリニックではありません。もちろんレーシックに関する経験も、1998年(平成10年)から全国でも早い時期に屈折矯正手術を手掛けた豊富な経験があります。しかし、それ以上に一般眼科診療も行なっているため、屈折矯正手術以外の眼の疾患すべてに対応することも可能です。
当院は、一般診療においても第3者機関(オリコンメディカル)の調査に裏づけられたごとく、患者の厚い信頼を受けております。将来にわたって、レーシックのみならず眼科全般のケアが可能なクリニックであると自負しております。かけがえのない目のことです。これからLASIKを受けようと考えている皆様が後悔のない選択をなさるよう、このウェブサイトを作成しました。
「ドクターの声」での取材記事
当院がレーシックを始めたきっかけ
私が初めてレーシックを目にしたのは、1992年にマイアミ大学 Bascom Palmer Eye Institute に留学していた頃でした。
帰国後1995年に吉野眼科クリニックを開院したのですが、その後、現慶應大学眼科の坪田教授、現東京歯科大学眼科の宮島教授、島崎教授らと共に、当時日本ではまだ実績の少なかったレーシックを始めたのが1998年のことです。
もともと眼科医としての専門は、涙・角膜・結膜・水晶体といった「前眼部」と呼ばれる領域で、留学前には1989年から慶應義塾大学病院でドライアイの研究とともに特殊外来での診療を行っていました。
また、コンタクトレンズとドライアイは関係が深く、「どうしてもコンタクトレンズが出来ないドライアイの患者さんを救うことができないか」ということで、コンタクトレンンズの装用が不要になるレーシックに興味を持ったわけです。
専門が前眼部ということで、コンタクトレンズをはじめ、眼の表面(オキュラーザーフェス)に関わる疾患はすべて網羅しよう、ということがそもそものきっかけです。
眼科医としてのポリシー
レーシックは、適応を守り経験豊富な医師が行えば、どこのクリニックで受けたとしても、95%の方は満足な結果が得られ有用性が確立された手術です。
とは言え、残りの5%の方には何かしらの不満や不具合が生じる可能性もあるわけで、そのことはあらかじめ頭に入れておいていただく必要があります。この5%を決して侮ってはいけません。
私は、この5%を如何に少なくするか、また、この5%が現実になったときに、大切なものは何かを考えてみました。
それは、患者さんと医師の信頼関係ではないかと思います。
つまり、直接顔と顔を突き合わせて、患者さんから見れば「この医師に任せて大丈夫かどうか」ということをご自身で判断してもらうことが重要でしょう。「手術がうまくいく」ということが最も大切であることは当たり前ですが、「万が一うまくいかなかった時」にどう対応してくれるのか、といったことも、手術前にはなかなか考えに及ばないことですが重要な要素と言えるでしょう。
当院にはレーシック以外の一般診療も含め、常に多くの患者さんが訪れます。
診察に際して、私はできる限り患者さんと色々な話をするよう心掛けています。
実は、私の診察室には待合室を映し出すモニターがあり、常に混雑状況を把握することができます。
待合室での待ち時間の長さは、患者さんの医療機関への不満の上位に位置することを知っていますので、混んでいる時の診察は駆け足になりますが(ポイントは外しませんのでご安心を)、あまり混んでない時には、世間話をすることもあります。「先生、実はウチの奥さんがね〜」「なるほど、そうなんですか。それは大変ですねぇ」なんて、思いもよらない患者さんのバックグランドを知ることで治療のヒントが得られることもあるのです。
私の手術に対する眼科医としてのポリシーは、
(1)患者さんと医師の信頼関係が構築できないのであれば、手術はしない
(2)絶対に嘘はつかない
(3)万が一何かトラブルがあった場合には、眼科医生命をかけても最後まで対応する
(4)万が一のトラブルに対し、もし自分で対応できない状況であれば、
自分のプライドを捨ててでも他の専門医に協力を仰いで、患者さんにとっての最善策をとる。
といったところでしょうか。
手術を受ける患者さんは自らのプライバシーをさらけ出し、体にメスまで入れられるのですから、手術を行う者としては、その決断と不安を「厳粛に、真摯に受け止め、治療するためのロボットであってはいけない」という思いを忘れないよう心がけています。
レーシックに関していえば、ある施設では、術前のお話をする者、診察をする医師、手術をする医師(施設によっては角膜フラップを作る医師とレーザーを照射する医師が異なる場合があるようです)、術後の診察をする医師(バイトの医師だったりすることもあるようです)がすべて異なるとのことです。これでは、一人の患者さんへ一連の対応をすることは不可能ですし、不具合が生じた時の責任の所在もあやふやになってしまいます。医師は分業作業をするロボットではありませんし、患者さんは組み立て工場の工業製品などでは決してありません。キャンペーンやキャッシュバックによる薄利多売で効率の良い(?)安価な医療を受けるか、手術コストは施設を選ぶにあたっての重要な選択条件ではありますが、一人一人手厚いオーダーメードの医療を受けるかの選択は十分に検討していただきたいポイントと思います。
院長が逮捕にまで至った銀座眼科の大量角膜感染症発生事件の被害者や、ネット上で最近目にする「レーシック難民」などは、まさに、そのような状況から生まれたレーシック手術の負の側面といえるでしょう。
これからレーシックを受けようと考えている方へ
そうそう、よく受ける質問ですのであらかじめお話ししますが、私は普段眼鏡をしています。
私はテニスを趣味にしているので(午後からの出勤日には必ずと言ってよい程、近所のテニスクラブで仲間とテニスをします。
でも手術日とその前日はやりませんので安心してください)眼鏡は本当に不便で、テニスを考えればレーシックをやりたくて仕方がないのですが、自分自身はレーシックを受けていません。
では何故?悲しいかな私は老眼年齢に突入してしまいました。
つまりテニスのためのコンタクトレンズを装用した状態では、近くが見づらかったり、疲れてしまい診療ができないという状況になってしまいます。眼科診療は、診察にしろ手術にしろ、毎日顕微鏡を覗く非常に細かい作業の連続です。
更に患者さんとお話をして、PCを見て、カルテを書かなければなりません。
そういう状況において、老眼鏡をかけたりはずしたりするのは非常に不便ですし、仕事の効率も落ちてしまいます。
私の近視度数は−3.0〜−3.5Dで約30cmが良く見えるため、近くを見るという意味では便利な眼なのです。
もう一つ老眼の問題とは別に、手術をしている自分が言うのもなんですが、角膜にメスを入れるということに何とも言えぬ気持ちの悪さを感じるといったことがあります。「えぇ〜?とお思いかもしれませんね!?」。
もちろん、手術そのものは非常に精度も上がり安全性も増しています。現に私は自分の妹や同僚の眼科医にも手術をしています。したがって、危険とか予後が不良とかいう理由からではなく、私の個人的な感覚として、角膜にメスが入るということに生理的な嫌悪感を感じるのです。注射が大の苦手、という感覚に似ています。理屈では説明ができません。 このような2つの理由から私はレーシックを受けていません。
従って、適応のない患者さんに対しては当たり前ですが、私はすべての人にレーシックを勧めるというようなことは致しません。眼鏡、コンタクトレンズで満足のいく生活が送れるのであればレーシックを受ける必要はないと思います。
それでも、ドライアイや不同視(左右の度の差が大きく眼鏡をかけれない状態)、強度近視などの医学的な理由でメリットのある患者さんや、職業上の理由で眼鏡やコンタクトレンズの装用に問題のある患者さんをはじめ、ご自身でレーシックを強く望まれている方に対しては、私はいつでも全力を尽くす所存です。
上野にいる、眼鏡でヒゲ面の眼科医にいつでもご相談ください。
<フェムトセカンドレーザーiFS導入以前のインタビュー記事を元に掲載しています。>